【片江湾は、自然の彫刻、その絶景は地質の多様性から】
グーグマップで見ると、片江湾の東側(地図の右側)には,北(地図の上側)に突き出た半島が見えます。
ここは、大崎鼻と呼ばれるところです。
入り組んだ海岸線から、一目でこの半島が隆起してできた、リアス式海岸と分かります。
グーグルマップでは全体が緑色に覆われて、わかりませんが、
この幅約700m、長さ約2kmの小さい半島の中身は、
実は、4つの異なる地質からできています。
出典:産総研地質調査総合センター 5万分の1地質図幅「境港」 5万分の1地質図幅「境港」(産総研地質調査総合センター)より
1つめ(Jm)は,
今から約1700-1600万年前、日本海ができ始めた頃,深い海の底に積もった黒い泥からなる泥岩で,
長い年月により風化して,細かく割れやすいので,波の作用で削られやすい。
2つめ(Ja)と3つめ(Jp)は,同じ頃,活発な海底火山の活動によって,これらの火山から噴出した成分の異なる岩石からなります.赤茶色や緑がかった灰色をしています。
4つめ(B)は
これらの地層や岩石ができた後,さらに地下からマグマが上がって来て地表に出ることなく,
地下で固まった黒っぽい岩石で割れにくく非常に硬い。
仮にこの大崎鼻が、もし一種類の地質(岩石)だけで、でできていたなら、
そして、それが細かく割れやすい岩石だけのものであれば、
波によって削られて、
なだらかになったり,全て削られて存在しなかったかもしれませんし、
また、割れにくく固い岩石だけであれば、
削られにくく、
今の片江湾のあの造形美とは、まったく違う景色になっていたと考えられます。
その地質双方が複雑に、この小さな半島に存在し,
更に海岸線にこの4つの異なる地質が見られることが、ここの大きな個性と特徴になっています。
そのため、海からの波が削った場所は、
その海岸沿いをつたって、様々な顔を見せ、
また、波によって削られ洞窟となった場所もあります。
特に洞窟は、割れ目などが発達して削られ易い部分と,
風化に強く,割れにくく固い岩石のように削られにくい部分の組み合わせで、
複雑な造形美を作ります。
そんな洞窟にも、ライトを照らしながら中の奥まで入り、
内側からも、その”自然の彫刻”に感動します。
カヤックならでは、です。
また、大崎鼻だけでなく片江湾の西側にもたくさんの見どころがあります。
そして、地元の人でも、
こんなところ知らなかったと、その自然の織り成す造形美に感動されます。
一度にすべては、見られませんので、
リピーターで4回カヤック体験ツアーに来られた方もあります。
その飽きることのない、この”自然の彫刻”は、カヤックに乗って片江湾2時間のツアーで出会えます。
カヤックの一番いいシーズンは、夏だと思われがちですが
ベストシーズンは春と秋です。
さあ、その片江湾の入り口はこちらです。
※今回、私がジオガイド認定試験を受けるために学んだ知識と、
そして、今回の講師、島根大学の入月先生へ何度も質問し、
その都度回答をいただきました。
その内容を生かしたいと思い、
今回、ホームページに上げる記事について、アップする前に
私の解釈が間違っていないかどうかや、曖昧なところを確認するため、
先生へ原稿をメールで送り、その私の文章に赤ペンを入れていただきました。
先生からの回答は、早いときは数分で来るほど早く、そのご協力に感謝しています。
そして、できるだけ専門用語を使わないで伝わる文章を作ったつもりでいますが
いかがでしたでしょうか。
また、先生から提供された地質地図のホームページでの使用についても、
ご相談し、
その問い合わせ先もおしえていただきました。
そして、本日問い合わせをし、
地質調査総合センターから即回答がきて、ルールに基づいて今回利用させていただきました。
ありがとうございました。