日本初!海岸沿い海食洞を測量するプロジェクト、片江湾よりスタート。

日本洞窟学会より、海食洞調査の相談があり、こちらの受け入れ態勢もできたので、

4名のプロジェクトメンバーがこの土日におこしになりました。

海岸沿いの海食洞の正確な調査は今までされたことがないそうで、

特に隠岐の島の明暗の岩屋や加賀の潜戸は全国的に見ても

世界的に見ても大きな海食洞ですが、

それを測量することで、それを公開し、

世界の海食洞に引けを取らないことを証明、

それを実現したいとのことでした。

しかし、

今までは、国内の洞窟は陸路で行ける場所、

海の海食洞内で、どのように測量すればいいか、

そこでカヤックを利用しようということになりましたが

今までやったことがない。

そこで

その測量方法を確立するために片江湾にある海食洞でまずは試そうということになりました。

今回、受け入れ側として、

そのキーパーソンと連絡をとり受け入れ態勢を整え今回に至りました。

今回のプロジェクトメンバー4名。

日本洞窟学会の評議員で、元高校教師の水島昭夫さんリーダー北九州からと
長崎大学と広島大学の2回生女学生2名。いずれも探検部(水島さんの教え子とのこと)
そして日本洞窟学会会員の山西さん米子から(インドネシア・インド等海外での海外勤務あり。英語堪能)

このプロジェクトを聞いて集まってきたカヤック仲間やジオガイド。
隠岐の島から急遽きてくれた隠岐の島のキーパーソンでカヤックガイドの森山啓介さん。
今後加賀の洞窟調査ではキーパーソンとなるの森山尚さんと
加賀観光協会会長、島根半島・宍道湖中海ジオパーク公認ガイド山田和彦さん。
美保関で手作りシーカヤックといえば森脇博之さん。
そして、地元片江の海を知りつくした宮崎哲人さん。
今回特に頼りになる強力メンバーの方々です。

宴会では、水島さんの海外での洞窟探検などの話も聞けて、とても刺激になりました。

今回15日16日の土日でこのミッションを計画しましたが、

3日前の天気予報では強風の予想、しかし当日は、心配した風も波もなく、

そこで

翌日行く計画だった片江湾最大規模の海食洞前倒して行くことに。

まずは、初心者に基本的なパドリングの指導を宮崎さんにやっていただいて、

3人乗りカヤック2艇、青戸・宮崎で3名を乗せ、カヤック経験者の山西さんがシングルで、

森山さん率いるメンバーやかたゑ庵のカヤックサポート隊も帯同して、

片江湾のその洞窟へ速攻。

べた凪の好条件。

海食洞内では、

リーダーの水島さんが指揮をとり、学生がレーザー測定器を使い、

そのデーターを耐水ノートに耐水ボールペンで書きこんでいきます。

そして、まず驚いたのが二つ。

学生の皆さん揺れるカヤックで下を向いてメモを取ってる、

この姿勢は船酔いしやすいパターンですが、

さすが探検部、淡々と書き込んでいます。

そしてもう一つが、ライトで照らしながら、この海食洞の特徴を目でつかみ、手書きでスケッチ。

洞窟調査はすべてこうやっているようです。

次の目標は隠岐の島や加賀の潜戸ですが、

世界各地の洞窟を見てきたリーダーの水島さん、この片江湾にあるこの海食洞の大きさも驚いていました。

片江半島の先端にあるこの海食洞の測量結果は、

総延長約130m、側線延長約160m

見事な海食洞です。

今後新たなジオパークの観光資源となると思います。

※4/19朝刊山陰中央新報には青戸裕司さん提供となっていますが宮崎哲人さんが撮影された写真です。今回提供した写真の中で一番いい写真です。

測量されたデーターをもとにできたのスケッチ図のひとつがこちら。

下記図は、上の洞窟の入り口が上、そこから進入して奥に広がった空間があることがわかります。
この洞窟は波が高いと入れません。今回は本当に幸運でした。
島根大学の入月教授もわざわざ挨拶にと、
来ていただきましたが当時洞窟内にいて会えず申し訳なかったのですが、
今後これを見ていただくと
きっとこの資料がまた地質学的に生かされると思います。

Goproでは、暗くて何が写ってるかわからないでしょう。

こちらは奥行きが浅い海食洞なので日差しが入り中までよく見えます。

宴会終了後2時近くまで、プロジェクトメンバー4名全員この作成をしていました。

カヤックでくたくたの状態だったと思いますが

記憶の新しいうちにやっておかないと忘れるんですと水島さん、

この根性に脱帽です。

今回その根性で片江湾付近の海食洞4個計測に成功しました。

 

片江湾周辺には様々な海食洞があり、ジオパークの魅力いっぱいな場所です。

ですが、気象条件などでは、危険な場所でもあります。

カヤックをする私たちはこの片江湾の場所で、

地元の漁業会に航行ルートなど知らせ事故が起こらぬよう、地道に信頼関係を築いてきました。

海上保安庁とは、毎年一回かたゑ庵で座学、片江のビーチで実地訓練、カヤック安全講習会行い、

松江警察署とも2年前からカヤックパトロール隊に委嘱されるなど、

緊密に連絡を取りながら事故防止に取り組んでいます。

更に環境省ともつながりながら、カヤックでできる漂流ごみの回収など環境保全にも一緒にアイデアを練っています。

そこで最後に、

カヤックやサップで初心者がいきなり、外海に出られたり、

ライフジャケットなしでのパドリングはとても危険です。

目撃した場合、近づいて注意させていただくこともあります。

どうか安全で魅力的なジオパークのためにこの点ご理解ください。

4/19追記

本日の山陰中央新報に記事が載りました。

 

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